なぜ新商品を発売するのか?

突然ですが、皆さんのお仕事では「新商品を発売」することはありますか?

それとも、既存の商品を売り続けるだけですか?

商品のリニューアルなども含めると、業種・業態・規模関係なく、新商品を発売することは必要なことだと思います。

それでは、なぜ新商品を発売するのでしょうか?

  • お客様のニーズの変化
  • メーカーが新商品を出したから(小売業など)
  • ライバルとの差別化
  • 新技術が開発されたから(製造業など)
  • 今しか手に入らない季節の食材があるから(飲食業など)

他にも理由は様々だと思いますが、これらを突き詰めていくと

「お客様に飽きられないため」

ではないかと考えています。

僕がこの考え方に至ったのは、5年間のコンビニエンスストア本部での経験からです。

コンビニエンスストアでは、時期により多少上下しますが、毎週100種類前後の新商品がでます。1店舗における商品の数が、約3,000種類で、毎週100種類の商品が入れ替わり、結果として100種類×約50週=5,000種類を加えた8,000種類の商品が1年間にあの小さい売場に並ぶことになります。

このことを、コンビニは発祥以来続けているのです。これは、僕のお師匠さんの言葉を借りればまさに「人と商品の交差点」です。そうすることで、ここ15年間でコンビニは14,000店※も店舗が増えました。

※僕がコンビニ本部に勤務していた2000年前後は、コンビニ店舗数は約38,000店舗、現在2015年で約52,000店舗

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この間、コンビニの客単価や、店舗1店あたりの平均売上は、ほとんど変わっていないのです。そして、ご存知の通り、この15年間で、日本の人口もほぼ変わっていません。

ということは、

コンビニは「コンビニ利用者」を増やし、「コンビニの利用頻度」を増やすことで成長してきた

といえるのではないでしょうか。

15年前とコンビニの外見は変わりませんが、客層は主婦層や、お年寄りが増え、15年前から主要客層であった世代でも、1日に何度も利用したり、利用機会が広がっているのではないでしょうか?

つまり、コンビニは新商品により、「人と商品の交差点」としての地位を確立し、お客様に飽きられない状態を作ることで、利用頻度を増やすことで成長してきたのだと思います。

このことは、コンビニだけでなく他業界でも活かせると考えています。

会社の売上は、良くも悪くも、

「客数」×「客単価」

で表されます。

ということは、「客数」か「客単価」を上げないと売上は伸びないことになります。とてもわかりやすいですよね。

ここで、新商品導入の目的を、自社の商品・サービスの購入頻度・利用頻度の増加と考えるのであれば、その目的を達成できているかどうかは、客数が増えているかどうかで判断すればいいことになります。

「客数」は、「新規客数」と「既存客数」に分けることができますが、

  • 新商品を発売したことを、不特定多数の人に宣伝をすると「新規客」の増加に
  • 新商品を発売したことを、今いるお客さんに宣伝すると「既存客」の来店頻度の増加に

つながるため、結果として「客数」が増えることにつながることになります。

しかし、上記の2つのうち、不特定多数の人に宣伝をすることは、非常に販促コストがかかります。

情報誌の掲載や、新聞折り込み、テレビ・ラジオCMなどは、コストがかかりますし、その効果を分析することも難しいです。

ところが、新商品の発売を「今いるお客さんに宣伝すること」は非常に楽チンなため、新規客と既存客であれば、圧倒的に既存客を優先すべきと考えます。

なぜなら、お越しいただいている方に、「伝える」だけだからです。

そうすることで、さらに自社に興味を持ってもらって、来店頻度・利用頻度を高めていくことで、売上=客数×客単価の「客数」が増え、売上が増加するのです。

その考え方にたったとき、ポイントになることは、新商品は戦略的に導入するということです。

これはどういうことかというと、「新商品はたまたま、メーカーが作って提案してきたから扱うのではなく、たまたま開発できたから発売するのではなく、新商品をいついつまでに導入すると決めて導入する」ということです。

もう少し具体的にいうと、例えば、飲食店。

  • うちの上顧客は平均すると1週間に1回来店してくれているので、1週間に1回は新商品を提案しよう

とか、美容室であれば

  • うちは、平均1ヶ月の頻度でお客様が来店されるので、2ヶ月に1回は季節に応じた美容に関する提案をしよう

とか、当事務所のような士業であれば

  • うちは、1年単位で契約更新があるので、1年ごとに新しいテーマのセミナーを実施する

などです。

つまり、自社を利用して下さっているお客様の来店頻度に応じて、どれくらいの頻度で新商品を提案するかの仮説をたてることで、自社の新商品導入の頻度が変わってきます。

その仮説に基づいて、戦略的に新商品を導入していき、上顧客の来店頻度・利用頻度を高めていくことにより、上顧客の方が新規のお客様を口コミにより連れてきてくださることも増えることにもなります。

新商品によりお客様に飽きられないようにすることは、

「飽きない」⇒「商い」の本質

だということだと思います。

 

 

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