中小企業の生き残り戦略がここに!
時計を見ると朝の6時過ぎ・・・
「そろそろかな・・・」とつぶやきながら外に目をやると、いつもと同じ場所に白のハイエースが停まった。
なかからいつものおっちゃんがでてきて、
「おはよ!今日も寒いねぇ」といって店に入ってくる。
「おはようございます。ほんとですねぇ。いつもお疲れ様です!」
と僕は応える。
おっちゃんは、いつもどおり、スポーツ新聞を「ふむふむ」といいながら手に取り、
その近くにある缶のホットコーヒーを「ッチッチ~」と言いながら手に取りそのままレジカウンターに置いて、
他のものは絶対買わないとわかっているんだけど、店の外回りをぐるっと回って、
最後にあるパンの棚から昔ながらのアンパンを手にして戻ってくる・・・
その間に、僕はフロンティアというタバコのロングタイプのものを2個用意してレジで待っている。
おっちゃんがレジにつくと手にしたアンパンをスキャンして
いつもと同じ値段を言うと、聞いたか聞かずかお金を渡してくれる。
「ありがと!」
「いってらっしゃい!!」
そんなやり取りが、ほぼ毎日繰り広げられる。
ほんの3分くらいなんだけど、その3分間は、そのおっちゃんのためだけの店になる。
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これは、約20年も昔の話ですが、僕がコンビニ本部に入社して、直営店に配属され、深夜番で朝を迎えた時の
体験です。
今は、缶コーヒーが、挽きたてコーヒーになっているのかもしれませんが、今も全国のコンビニで同じ
ようなことが起こっているのではないでしょうか(ちなみにフロンティアというタバコも販売中止になっているとか)。
これこそ、中小企業が生き残る戦略だと思います。
それは、絶対大手に真似ができない「個別対応」という戦略です。
このおっちゃんは工事現場に向かっているので、途中、いくつもコンビニがあるはずだし、
特別なほかにない商品を買っているわけではありません。
でも、このおっちゃんには一番心地よい、無くてはならない店なんだと思います。
同じものが、ほぼ同じ場所に同じ価格でならんでいて、同じ看板を掲げているお店が全国にあっても
できる差別化戦略、それがこの「個別対応」だと思います。
まさに中小企業が生き残るための戦略だと思います。
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