新幹線が止まったときに何をするかで収入が変わる?

僕が税理士を目指しているころ、ある敏腕コンサルタントのKさんと、ある会社のコンサルティングを担当することになり、毎月1回2人でその会社に訪問をしていたことがあります。Kさんは、今はなき長者番付の常連だったほどの敏腕ぶりで、その行動・発言のひとつひとつが僕にとっては目から鱗でした。

 

ある時、出張でその方と新幹線を待っていると、突然、「車両の点検のためしばらく運休します」とのアナウンス。クライアントに遅れる旨を電話で伝え、雑誌でも買おうかなとキョロキョロしていると・・・

 

「西村君、こういうときは、トイレにいって、お弁当を買って、それからここでもできる仕事をするんだよ」

とのアドバイス。言われるがままに、トイレに行き、お弁当を買って、僕はクライアントの資料しか持ってきていなかったので、雑誌を買って読んでいました。

 

すると、新幹線が止まっていることをしらずに、発車時刻に合わせて来る人たちがどんどん増えて、あっという間に駅は人でごった返し、いつの間にか、トイレも弁当屋も行列ができました。弁当に至っては、並んでも結局変えない人もいる様子でした。

Kさんはというと、トイレに行ったあと、待合室で執筆途中の原稿のチェックを終えたところで動き出した新幹線でお弁当を食べ、午後一でクライアントに訪問することができました。人がごった返してからトイレやお弁当を買っていたら、時間もかかったし、お弁当も買えたかどうかわからないし、待合室で席の確保もできていなかったと思います。

 

「Kさんのアドバイスどおりでした。すごいですね」と言うと、

「僕は、常に他の人だったらどうするかな、ってことを考えて行動しているんだよ」と言われました。

 

つまり、Kさんの価値観は、「こういうトラブルの時は、他の人がどうするかを考え、他の人がしないことをする」ということです。

この価値観がしっかり定まっているために、意思決定が早くなります。

 

ここで、一番の本質は、Kさんは、例えば新幹線が早く動き出して、買った弁当が必要でなかったとしても、おそらく後悔はしないということです。目の前で起こっていることを分析し、自分の価値観と照らし合わせて、意思決定をする。

そして、いったん、決めたら他の考えは捨てる。それが徹底されているので、意思決定も早く、成功されているんだと思います。

 


コメントはこちら

このページの先頭へ