「売上は順調なのにまさかの赤字?」その理由は、原価高騰のほかに〇〇が原因だった!


「売上は順調に伸びているし、今年も目標は達成できそうだな。」

社長は、試算表を眺めながらほっとした表情を浮かべていました。

ところが、経理担当者から思わぬ一言が飛び出します。

「社長、このままだと赤字になります。」

「え?売上は計画通りなのに?」

驚いた社長は、すぐに詳細を確認しました。すると、利益が予想よりも大幅に減っていることがわかりました。

原材料の価格が上がり、製造コストが増えていた
人件費が高騰し、固定費の負担が増えていた
営業部の社員が、勝手に値引きをしていた

「値引き?そんな話、聞いていないぞ。」


■ 社員の“勝手な値引き”が会社の利益を削っていた

社長は営業部の責任者を呼び、事情を確認しました。

「最近、競争が激しくなっていて、契約を取るために値引きをしてしまったようです。」

「どれくらいの値引き額なんだ?」

「社長の承認なしでやったのは、1件あたり5〜10%くらいです。」

「ちょっと待て…」

社長は、その数字を聞いて愕然としました。

たった5〜10%の値引きでも、積み重なれば 会社の利益を大幅に削る ことになります。
「売上は達成したのに、利益が残らない」
まさに 売上至上主義の落とし穴 でした。


■ なぜ社員は勝手に値引きをしてしまうのか?

このケースは、この会社だけの問題ではありません。
多くの企業で「社員の勝手な値引き」は起こっています。
なぜ、社員は無断で値引きをしてしまうのでしょうか?

理由は、大きく3つあります。

1️⃣ 目先の売上を優先し、値引きの影響を理解していない

営業担当は、「とにかく売上を取ること」が最優先だと思っています。
しかし、値引きをすればするほど、会社の利益が減ることには無頓着なのです。

2️⃣ 上司に相談するより、自分で決めたほうが早い

「上司に許可を取るのが面倒だし、多少の値引きならバレないだろう」
そう考えた営業マンが、勝手に値引きをしてしまうケースも多いのです。

3️⃣ 値引きしなくても売れる仕組みがない

そもそも、営業部が 「値引きなしで売る方法」 を知らない場合もあります。
「他社も値引きしているから、うちも値引きしないと契約が取れない」
そんな思い込みが蔓延しているのです。


■ 「売上は達成したのに赤字」を防ぐために社長がやるべきこと

では、どうすれば 社員の無駄な値引きを防ぎ、利益を確保できるのか?

冒頭の会社では、このままではまずいと判断し、
次の 3つの対策 をすぐに実行しました。


✅ 1. 値引きのルールを明確にする

まず、営業部の 「勝手な値引き禁止」 を徹底しました。
具体的には、

🔹 値引きの基準を明確にする(例:5%以上の値引きは社長の承認が必要)
🔹 契約金額と利益率を営業チームと共有する

このルールを徹底することで、
営業担当が「無意識に利益を削る」行為を防ぐことができます。


✅ 2. 営業担当に「利益意識」を持たせる

多くの営業担当は、「値引きが利益をどれだけ削るか」を意識していません。

そこで、この会社では 「利益シミュレーション」 を実施しました。

例えば、
「10%の値引きをした場合、利益はどれくらい減るのか?」

「利益が減った分、どれくらい売上を増やさないといけないのか?」

「10%の値引きをしなかった場合、どれだけ給料の支払い原資が残るのか?」

これを数値で示したところ、営業担当は 「値引きの影響の大きさ」に気づく ようになりました。

「たった10%の値引きで、こんなに利益が減るのか…」

こうやって、営業チームに 「売上」だけでなく「利益」も意識させる ことが大切なのです。


✅ 3. 値引きせずに売れる仕組みを作る

この会社では、値引きをしなくても契約が取れるように、
次の2つの方法を実践しました。

🔹 「価格競争に巻き込まれにくい顧客」にターゲットを変更
🔹 「うちの商品・サービスだから選ばれる理由」を明確化

例えば、値段だけで比較されやすい市場ではなく、
「品質」「アフターサポート」「ブランド力」といった
価格以外の価値を評価してくれる顧客を狙うようにしました。

この取り組みのおかげで、値引きをしなくても契約が取れるケースが増え、
利益率の改善につながりました。


■ 売上至上主義を卒業し、利益を意識した経営へ

この社長は、この経験を通じて
「売上だけを追う経営の危うさ」を痛感しました。

💬 「これからは、売上だけでなく、利益をしっかり管理する。」

この意識の変化が、会社の未来を大きく変えることになるのです。


■ まとめ

売上が好調でも、利益が減ることがある
その原因は、原価高騰だけでなく「社員の勝手な値引き」にもある
利益を確保するために、値引きルールの明確化・営業教育・仕組みづくりが必要
売上を追うだけでなく、利益を意識した経営が重要!


■ あなたの会社では、社員が勝手に値引きしていませんか?

🔹 値引きルールは明確になっていますか?
🔹 営業チームは、値引きが利益を削ることを理解していますか?
🔹 値引きしなくても売れる仕組みがありますか?

もし「ドキッ」としたら、今すぐ見直しましょう。
会社の利益を守るために、今日からできることを始めてみてください。



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