法人税率が下がる時に考えておくこと(その2)

岐阜県可児市の税理士、西村賀彦です。

多くの税金は1年単位で計算することになっています。法人税や所得税は、儲け(利益)に税率を乗じて計算をするため、「いつの期間」の儲けなのかを決めないことには、税額が算出できません。そこで、便宜上、法人は決算期、個人は暦年で儲けを計算することになっています。

このことは、税率が変動する局面では、トータルの税額に影響を与えることとなります。すなわち、税率が同じであれば、ある利益を今年に計上しても来年に計上しても同じ税額になりますが、来年の税率が下がる場合には、今年よりも来年に利益を計上した方が、税額は少なくなります。

もちろん、今年計上すべき利益を、来年に計上することは脱税ですのでいけませんが、次のような対策は可能です。

  • 出荷時に売上を計上している会社が、出荷そのものを来期にする(もちろんビジネスに悪影響を及ぼさないことが前提となります)
  • 設備投資を来期ではなく当期に行う(当期中に使用しているなど一定の要件はあります)
  • 当期中に生命保険に加入する(保険の種類により処理が異なる可能性はあります)

いずれにしても、法人税率の変動について事前に税理士等と打ち合わせをしておくと良いと思います。

(当事務所発行のCLOVER通信2014年8月号より)

法人税率が下がる時に考えておくこと(その1)はコチラ

 


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